久しぶりに祖父に会いに行って、あっという間に時間が経ってしまった。行くまでは、行っても何も面白い話をしてあげられず気まずくなってしまうとか、どこか面倒に思ってしまい遠ざけていたが、話を聴くことで良かったのだった。
ジンギスカンの話をして、滝川あたりは羊の飼育が盛んだったこと、羅紗という羊の毛織物は戦前高価だったがそれは輸入品で、北海道の紡績技術ではそんな上等な布は作れなかったこと。そもそも戦前は、洋服は金持ちの役人が身につけるものだったこと。生地見本を見せながら商売する仕立て屋の曽祖父の仕事風景、紅葉屋という株式売買の店で小間使いをした記憶、そこから電電公社の通信技師募集を見つけて一夜漬けで勉強して合格した話。倶知安のころ会社の屋上で度々ジンギスカンをやった思い出。